何かに挑戦しようと思えば、挑戦できる機会がたくさん転がっている現代。
それなのに、「自分には無理だ」と諦めて3日坊主で終わったり、「あなたには無理よ」と周りから言われてしまい、始めることすらできない人も多い。
しかし、海苔漁という過酷な仕事の傍ら、ピアノを練習し続け、夢を叶えた男がいた。
その姿を描くことで、「人間、やろうと思えばできないことはない」「新しいことを始めるのは、今からでも遅くない」と、挑戦する一歩を踏み出す勇気をくれる映画です。
九州佐賀の有明海で、海苔師一筋に生きて来た男は、ある日、フジコ・ヘミング演奏によるフランツ・リストの「ラ・カンパネラ」を聴いて、感動し身を震わせた。そして決意する。「この曲を弾きたい!」
プロのピアニストも怯むほどの難曲、フランツ・リストの『ラ・カンパネラ』。無謀だ、絶対無理、と妻や息子の猛反対を押し切り、音楽とは無縁だった52歳の男の、本気の挑戦が始まる。
日々苛酷な自然と闘う海苔師の仕事人としての姿を追いながら、その一方で夢とロマンを求めて、ひたすらピアノに立ち向かった海の男の1年間。海の男は、なぜ無謀と思われた「夢」を追い求めたのか?
その想いの裏には、反対する妻、息子、父親や仲間たちへの「愛情」と祖先から受け継いできた海苔漁という仕事への「誠意」と「誇り」があった。
こうと決めたらとことんやり抜く九州男児の心意気に感動し、彼を取り巻く悲喜こもごもの人間模様に共感しながら、誰もが元気になり明日への希望を抱ける映画です。
昭和35年、佐賀市川副町生まれ。
昭和54年、家業の海苔養殖業に就き、海苔師となる。海苔加工業『徳永水産』を経営。特殊特定小型船舶操縦一級免許及び無線局免許を取得。
現在は、妻・長男・長男の妻・ 孫の5人家族。
度々マスコミに取り上げられ全国に知れ渡るようになった現在も海苔師の仕事とピアノを両立しながら、小・中学校などの教育現場や講演会で『ラ・カンパネラ』を披露。さらに手品やトークをまじえてのコンサート活動を展開。『新たな挑戦に年齢は関係ない、夢は追いかければつかむことができる』と、更なる夢を追いかけている。
1963年福岡県生まれ、大阪府出身。高校卒業後に上京し、「ジャパンアクションクラブ」(現JAE)に所属。’83年、舞台「真夜中のパーティー」で俳優デビュー。’96年NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」で全国的に注目され、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。’06年、クリント・イーストウッド監督作「硫黄島からの手紙」に出演、ブラジル映画「汚れた心」(’12年)、ハリウッド映画「ラスト・ナイツ」(’15年)、’23年のヴェネツィア国際映画祭で、イザベル・ユペールと共演したフランス映画「Sidonie in Japan」が公開されるなど海外にも活躍の場を広げている。
1955年、秋田県出身。秋田県立大曲農業高校、横浜映画放送専門学院(現日本映画大学)卒業。
コチ・プラン・ピクチャーズ 代表。
映画プロデューサーとして、2003年「さよなら、クロ」(キネマ旬報7位)、2018年「野球部員、演劇の舞台に立つ!」(文部科学省特別選定作品、ぴあ満足度1位)等、多数の映画・テレビドラマを制作。
著作「ノンフィクション 戦場に輝くベガ 約束の星を見上げて」(浅野ひろこ共同執筆)一兎舎刊(図書選定)。
「地域に腰を据え、地域の方々と一緒に楽しく創り上げる映画」を目指している。
今回は、徳永氏のあきらめない生き方に共鳴し、監督に初挑戦する。